獣の咆吼

備忘録メイン。好きなことをつらつらと。

『märch』全曲感想

ようやっと発売になりました1stフルアルバム、あまりに良すぎたので久々に全曲感想やろうかなと思った次第。

 

今回フルアルバムと言うことで、18曲も収録されているって時点で、気合いの入り方がすごいんですけれど。そのうちインスト類を抜くと14曲で(アレンジとか再録とか抜きにした)完全新曲に至っては8曲って。新曲だけでミニアルバムの収録数より多いという。

で、それだけ収録曲が多いので、もちろん多種多様な曲が揃っているんですけど。それがごちゃごちゃした感じにならずに、ちゃんと1枚としてバランスが取れてるのがすごいなと。それはアルバム自体の構成のおかげだと思ってて、これそのままライブのセトリとして使えるなって流れになってるんですよ。

先述したインスト類が間に挟まることで、軽いブレイクタイムになってるというか。ライブで言う幕間の効果というか。上手い感じに切り換えになっているので、通しで聴いたときの良さに繋がってるなと思います。

もちろん単曲ずつでもいい曲揃ってるんですけど、このアルバムは1枚のアルバムとして、通しで聴くことに意味がちゃんとある1枚なので、出来れば頭から順番に聴いて欲しい。

あと物理版の歌詞カード、歌割り確認出来るの本当に助かる。メンバーのカットの流れとかも、ジンと沁みる感じになってるのすごくいいですね。あとはクレジットの細かさ。これだけ多くの人が関わってる1枚なんだなあと実感する。

 

サブスク配信あります。めちゃくちゃいい1枚になってるのでぜひぜひ。

なんで試聴動画今回ないんですか???

 

1:Ouverture (Happiness 4 you!)

いつものOuverture。これ流れるとライブ始まるなって気持ちになりますね。このわちゃわちゃ感が楽しいんだよなぁ。

それはそれとしておかしいたけの布石がここで回収されるとは思わんだろうよw

 

2:S.T.A.R.T

サンドリオンがどういうユニットか、って聞かれたときに、この曲聴かせればだいたい雰囲気わかってもらえるんじゃないかなって1曲。このアルバムを象徴する1曲でもあります。

個人的にはサンドリオンらしい曲というと、どちらかというと夜の雰囲気を纏ってる曲だと思っていて。それこそMGMから始まり、タイムトラベルとか、ブランコリックとか、LINE LOOPとかもそうですけど。曲のジャンルの知識がないから説明がしにくい。音としてはちょっと切なかったり、儚げだったりエモかったり、ふわふわしてる感じなんですよ。

でもこの曲は別の意味でサンドリオンらしいというか、サンドリオンそのものって言った方がニュアンス近いですかね。楽曲としてのサンドリオンじゃなくて、ユニットとしてのサンドリオンを色濃く反映してるなって思います。ほのけが作詞なんですけど、ほんと単語のチョイスがぴったりすぎる。「確かに進むこのステージを連れて行くよ」とかフレーズとしてめっちゃ好き。連れて行くよ、なところが。

メロディも色んな音がわちゃわちゃ騒がしい感じというか、まるでおもちゃ箱ひっくり返したような、そういう雑多なワクワク感がいっぱいに詰まってる曲でユニット。歌詞にもありますけど「個性はバラバラ、足並みバタバタ」、全然揃わないような、本来タイプの違うメンバーが、夢も歌声も重ねるからこそ、大きなパワーを生むんだなと。

 

3:ハッピーアイスクリーム

2ndシングルの表題曲になったEDM。2人ずつの掛け合いや、パート割りが多いのが特徴だなと思ってます。Dメロのあすかが可愛くて好き。

歌詞割りが本当に助かったのがこれで、色んな組み合わせで歌ってるのはわかってたけど、さすがに複数人同時の聞き分けは無理だったので、歌詞カード見てなるほどってなってた。

 

4:ゼロイチまでフタリゴト

幕間パート。これ聴いてるとき、マジで頬が溶けるのでやめてほしい(いいぞもっとやれ)

「検討します」の言い方があまりにツボ。もよディレクション最高かよ。

 

5:ゼロイチ

フタリゴトからのゼロイチの繋ぎ、マジで好きすぎてセットでライブでも見たい。

ライブ披露のときも思ったんですけど、ほんと耳に気持ちいいサウンドだなと。オシャレかわいくてよきです。1番サビラストの待ってて、のあすかの歌い方がズルい。

2番Aメロの音の増え方も好きなんですよね、ちょっとペポペポしてる感じの音。

サンドリオン楽曲、夜の雰囲気纏ってるって書きましたけど。あともう一つ、冬の曲のが似合うなって気がします。オリオンが冬の星座だから、そらそうかって感じはある。

「わざわざって愛情の種」ってフレーズが天才だなと思ってて。愛って手間をかけることであって、わざわざなことなんですよね。一個前のフレーズの、めんどーなことというか。そういう面倒なことすら手間暇かけて、注いでいくものが愛だよなーと。

 

6:FAQ

このアルバムでも屈指の意欲作。LINE LOOPが出たときも、うわ挑戦的な曲きたなって思いましたけど、FAQはその上を行く感じ。こういう曲も歌える、歌わせることが出来るユニットってなってるの、ほんと実力ですよ。

とにかくピアノがカッコいいにつきるんだけど、間奏がほんと特にカッコよくて、これ多分ライブだとダンス見せ場じゃんって思うので、マジでライブ披露楽しみですね。

ラジオの方で解禁されたときに、その分だけでもうわってなってたんですけど、フルで聴くと2番(でいいのか? 後半パート?)の入りがまたガラッと展開変えてて、おおってなりましたね。

ほのけが結構カッコいい歌い方というか、パワー押しに寄せた歌い方しててめちゃくちゃ好きですね。FFFLのときも書いたけど、声の特徴は高音のが出る気がするけど、低めのカッコいい歌い方もかなり合うと思う。意外とパワフルにもいけるというか。

そしてラストのもよパートなんだよなぁ。もよちゃんこういう使い方多いんだけど、それが任せられる力あるし、実際映えるからよき。

 

7:ättension please

再びの幕間パート。こういう遊び心めちゃくちゃ好き。

次の曲への案内アナウンスなの、マジでライブCDっぽさある。

そしてどうしてもふりの2ndツアーが頭を過ぎる。

 

8:LINE LOOP

マジでめちゃくちゃ好きすぎていっそ言うことがない曲。

展開がくるくる変わっていくのが楽しいし、音も好きだし、これ聴いてるだけでテンション上向きになるぐらいには好き。なんなら目覚ましアラームにも使ってる。

またライブでクラップするの楽しみですね。「モノトーンな記憶さえ」の音階下がっていくところが一番お気に入りポイントです。

先行配信verのときとかに、聴き込みすぎて歌割りも耳で把握してた(さすがに二人パートとかはわからんかったけど)ぐらいなんですけど、だからこそ今回歌割りどう変化するかなとは楽しみにしてて。具体的には「水星まで」と「つま先にまで滲みる酸素」のパートなんですが。もよはそうだろうなと思ってたけど、ほのけに振ったのドリパのときに聴いて、結構おおってなったのと同時に嬉しくなったのを覚えてます。見せ場だと思ってるので、ここ。

 

9:marble

あすかのソロ曲。過去のお仕事の曲のロングverとのこと。

ある種のおまけトラックというか、どちらかというと多分幕間パート的なポジションでいいのかなと思います。歌詞カード載ってないし。

でもこれが不思議といい繋ぎになってるんですよね。この後の楽曲が、ガラッと雰囲気変わるのもあるので。

 

10:Be Shine! Sound x Orion

やりやがったなwww と言わざるを得ない自己紹介ソング。そして多分リリース延期せざるを得なかった一番の原因かなと思っている。

いやこういう曲、マジで1曲は欲しかったので嬉しいです。ある種ごあくがそのポジだったのかもしれないけれど。コールまじでめっちゃ入れてえ……!

メンバーが作詞で意見出してるのが本当によくて、S.T.A.R.Tと同じような感想言っちゃうけど、ほんとピッタリなフレーズ出してくるなと。特にあすかパートの「アイスクリームボイス」があまりにそれすぎて天才だと思った。ちゃんとメンバーパート毎に、ちょっと曲調変化してるのもとても好き。あとあすかパートだけスペースが半角って話を聞いて、細かいこだわり……! ってなった。

でもネタっぽい曲なのに、「Are you ready?」からのメロディラインが、結構エモい展開してるのずるいなと思いました。最後にちょっと感動させるんじゃあないw

 

11:ライフ・イズ・キューティクル

ライブのときの感想にも書いたけど、可愛いけどめちゃくちゃ変な曲(褒めてます)

ジャジーでミュージカルちっくな曲なんですけど、やたら元気が出るというか。めちゃくちゃ自己肯定ソングなので、そりゃ元気もらえるに決まってるんですよ。

歌詞がもうほんと前向きでいい。「私が「楽しい」になるんだ」のパートをあみちゃんに振ってるのが、本当によくわかってる。

 

12:コン!ソン!ドン!

Be Shineからこのコンソンドンまでのパート、元気もらえるパートだなと思います。ライブの中盤から終盤の盛り上がりパートというか。

これラジオで最初聴いたときは、王道曲だーぐらいのあっさりめの感想だったんですけど、ライブで聴いて印象変わったというか。ライブの終盤近くに置いて、エモさで泣くタイプの明るい泣き曲だと気付いた。サビのメロディずっるいのよ。

あと歌詞が遊び心だらけで好きです。Bメロの頭文字で「あいして」になるところとか。嫌いな食べ物のところは、歌割りが煽り合いなところとか。

 

13:告白星 (Re-arrange ver.)

ライブのラストスパートの前に、一旦バラード入れるやつみたいな置き方されてる。

ドリパの方にも軽く書きましたが、マジでアレンジと言うよりは別の曲になってるって思うぐらいに、ガッツリ変わってて。そもそも歌詞が変わってるし、原曲の続編って印象を受けてます。

原曲の方は結構シンプルめというか、静かな伴奏だったんですけど。アレンジですごい壮大になったというか、音がキラキラしてたりとか。なんだろう、原曲は夜の草原って感じだったんですけど、アレンジ版は宇宙の銀河の中だなというか。

環銀河系のストーリーを踏まえると、星の向こうの住人にも思いを馳せてるわけですけど、アレンジ版はそっちの星側の視点からの曲なのかなとか、色々想像が膨らむアレンジになってるなと。

 

14:タイムトラベル(Reprise)

幕間パート。バックになんでもない会話というか、話し声を流しつつのストリングアレンジなタイムトラベルのインストとか、完全にライブのクライマックスの手前に置くやつでしょこれ。泣かせにかかってるやつ。

 

15:君だけのオリオン

からの君だけのオリオンの流れ、完璧すぎるライブのエンディングで4th思い出して泣く。

4thの感想で散々書いたので、もうだいたいそっちで語ってしまったみたいなところあるんですけど。やっぱりこの1曲があるということ、サンドリオンにとって大きな武器になると思っています。

たまに好きとかそういう枠で測れないような、文脈とか踏まえて『特別』って枠に入る曲ってあると思うんですけど。個人的には内田彩のピンク・マゼンダとか、AqoursのWBNWまたはキセキヒカルとか。そういう固有結界じみた切り札みたいな1曲って、なかなか作ろうと思って作れるものじゃないと思うんですよ。ある種の神がかりというか、本当に上手く全部が噛み合わないと生まれないというか。

だからこの1曲が生まれたこと自体がすごいし、それを歌うに見合うユニットであるということ、今後も大切にして欲しいなと。

細かいところの話をすると、1番ラストのほのけの歌い方がめちゃくちゃ好きで、特に「輝くように」のとこの息の抜き方がすごい好き。

歌詞割りがほんと神なんですけど。最初と最後をもよで締めるところとか、最初のサビの入りがもよだったりとか、そういうところにリーダーの頼もしさを感じる。あとラスサビ前のシャウトがあみちゃんになったのもよき。

あすかも結構印象的なところパート振られてるなって。ラスサビで全員で歌ってる中で「全力で歌い続けよう」のところが、あすかのソロなのとか。

とにかくラストに向けての熱量の高まりっぷりがすさまじい1曲。

 

16:Familiar base

この曲を本編ラストと捉えるか、アンコール1曲目と捉えるか悩みどころ。個人的には前者かなぁ。これが本編の締めにくるの、すごい安心感ある気がするので。

前の全曲感想でも感想書いてるので割愛しますけど、帰ってくる場所としてのサンドリオン、って感じの曲ですよね。たぶん年数経てば経つほど、味が染みてくる曲だと思います。

 

17:Have a nice journey

リリースの延期に伴って追加になった新曲。やっぱりこっちがアンコール1曲目な気がする。

こういうタイプの曲、たしかになかったなというか。こういう表現がニュアンスとして合ってるか自分でもわからないんですが、この曲が歌えるようになったことが、また一つ大人になったというか、成長の一歩の証左なんじゃないかなと思います。

ほろ苦いこととか、泥臭さもあって、それでもたしかに前に進んできて。だからそこまでの道は振り返ればちゃんと残ってるはずで。そういう今までの時間があったからこそ歌える曲というか。この曲がこのタイミングで追加された曲なの、本当に感慨に耽ってしまう。マジで色々考えすぎてしまうところあるから、そこはあんまり言及しないけど。

そしてあみちゃんが十全に活きる曲というか、こういう曲だとほんと独壇場かってぐらい上手くて震えましたね。そういう意味で、ずっと欲しかった1曲かもしれない。

歌の上手さって色んな評価軸があると思うんですけど、あみちゃん技術的に上手いってタイプだと思っていて、だからコーラスとかハモとかに器用に使ってるんだと思うんですけど。そういう意味だと、落ちサビとかの見せ場で魅せる歌い方ってところは、やっぱりもよとかあといた頃は瑠奈とかに軍配上がると思ってて。上手いんだけど燻し銀みたいなとこあるなーと思ってたんですよね。

だからこういうシンプルな、技術で聴かせるってタイプの曲だと、ほんと本領発揮というか、ぴったりでいいなーと。マジで「memories」とか「Good-bye」とか「思い出そう」とかの歌い方、痺れますもん。

 

18:ブランコリック

もともとは収録しない予定だった曲だったと思うんですけど、すごい好きな曲なんで入ってくれて嬉しいです。これが締めにくるのも、ちょっと色々思ってしまいますね。

これも前の全曲感想で感想書いてるので割愛しますけど、やっぱこういう声が重なる曲の綺麗さがサンドリオンの強みだなと思います。「call my datum」のところ、そこだけでめちゃくちゃ好きなんですよ。

あと聞き比べるとオケの音、結構変わってますかね。それとあすかパートになった「会いたい」もよきです。

 

とにかくめちゃくちゃ名盤になったと思うので、よければ聴いて頂けると幸いです。