獣の咆吼

備忘録メイン。好きなことをつらつらと。

『メイクアップ』全曲感想

2ndミニアルバム『メイクアップ』発売おめでとうございます!

 

いや1st発売から3ヶ月て。1st出た直後だというのに、新曲がタイアップで使われてたりしたのでストックはあるんだろうなとは思ってましたけど。まさかこんな短いスパンでくるとは思ってませんでしたよ、はい。

まあでも春にツアーやるってことを考えると、曲数増やしておきたいってのはあるんでしょうね。いやそれでも春に出してもよかったと思うよ。この調子だとツアーまでにもう一枚ぐらい出ててもおかしくないから怖い。推しの創作スピードが本当に怖い。

 

というわけで恒例の全曲感想を書き残しておこうかなと。今回もフラゲです。

とりあえず全体としては、1stと比べると曲調は明るいものが多いですね。1stが夜のイメージでまとめた、っていうのはその通りだったんだなって、2ndが出ることで強調されたなといいますか。こうやって色んな曲が出てきて重ねていくことで、前のアルバムもまた違った見方が出来るようになるのは楽しいなと思います。

一方で歌詞については、1stでも散々ドロドロしていましたけど、あの、もっとひどくなってない? といいますか。前回もまあ重さと後ろ暗さがありましたけど、今回は倫理観が吹っ飛んでる感じのシチュエーション多いですね? 昼ドラとか好きなのはよくわかった。

もう全力で趣味に走ってるなぁというところは、好きなことをやるぞ、という気概を感じられてとてもいいんですけど。それはそれとして、そりゃあ母親から心配されるのもわかってしまうというかw でも逆を言えばそういうのを刺激の強い創作として楽しめる、ってことは、そういうこととは無縁に生きてきたってことでもあると思うので、そういう意味では真っ当な感性と人生そうで安心出来ると思っています。そういう目に遭って目覚めてしまった強者については考慮外です。

インタビューとかでも、自分のなにかを反映してるとか、メッセージ性があるとかでもなく、ただただ妄想の物語を出してるって話だったので、ふり自身の性癖が変わらない限りはこういう歌詞が続くんだろうなと。もうここまできたらブレーキとか踏まなくていいから、アクセルベタ踏みして壁をどんどんぶっ壊してほしいところ。それはそれとして推しの性癖はひどいと思う(褒め言葉)

あと初回限定版のケース、こういうギミックかわいくて大好き。自分で本出すときとかも、装丁凝るタイプなのでこういうの心くすぐられます。

 

1:パープルアイシャドウ

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もうMV公開されたときに、アスペクト比4:3の時点で爆笑しましたよ。

そこまで凝る? 今令和やぞ? いやもうほんと、そういうところが大好きなんだよなー!?

ざらついた画質とか、正直今日日こんなんカラオケの背景映像でしか見ないだろ、っていうコッテコテの流れの映像とか、誰がそこまでやれといったレベルで全力を出しちゃうの、そういうところの本気度ですよね。大人の全力をかけて、本気で遊ぶというのは。

ライブでも披露してて感想書いてますけど、サビの「ジャッジャッ」ってギターが好きだし、それに合わせて小さくジャンプする振り付け好き。

雨の歌というのも言ってましたし、歌詞も耳にしてるからなんとなくわかってはいたんですけど、それでも歌詞カードを読んで初めてわかることもあるというか。「いい女になんてなれない」だけでブロック区切るんだなぁと。

そこで区切るということは強調表現なわけで、一文だけなのもあり、主題なんだろうなというか。そこを中心に色々考えていくと楽しいですねこれ。

 

2:RUMIKO

跳ねるように歌うサビの掛け合いがすごく好き。パープルアイシャドウと対になってる曲で、これで歌われてるRUMIKOがパープルアイシャドウの女性という。

つまり男性目線の曲なんですが、歌い方は結構可愛らしい感じで、それが余計幼さというか、主人公の男の子の未熟さ、年下という面が強調されてる感じがします。

若さ故の勢いというか、止まらなさのようなものが詞にすごく出ていて、背景の物語がすごく想像つくというか。「純粋な未成年」の一言に詰まってますよね。経験不足で不器用に滾る愛をぶつけるしか出来ない感じ。絶対その道破滅だから止めとけ。

でもその燃えたぎる感じは、若さだけでなく、不倫という後ろ暗さからも来てるだろうなっていうの、ほんと業が深いというか性癖が悪いと思うよ(褒めてます)

「年上旦那に見せ付けたい」っていう、この薄暗いプライドのような一文すごい。

 

3:桃源郷白書

中華風の明るいメロディに、まったくもって隠しきれないどころか、隠す気のない倫理観崩壊歌詞。多分今までの中でもベストオブひどい歌詞だと思ってます()

遊び人の男の歌ですが、オフィスで昼夜問わず好き放題爛れたことしてる(そしておそらくそれに罪悪感もないぐらいに手慣れている)のを指して、桃源郷ってタイトルにつけるセンスだよ。いっそ邪悪ですよこれ。

でもこれ、ラストがラストで。最後のサビが「此れは奈落」「天罰な悪戯の沈黙」「妻と子供が弁柄色した床で」という不穏なワードが一気に押し寄せてくる。

弁柄色ってどういう色かというと、暗い赤みを帯びた茶色でして。その意味を考えると、一気にぞわっとするというか。もはや意味を理解したら怖い話の類い。それにしても弁柄色なんてよく知ってたな?

 

4:SIDE B

メロディがノリのいい感じなのと、音の作りが若干ピコピコしてて好きです。電話の音が後ろで何回も鳴ってるのが意味深。

曲名通りB面曲で、なんの曲のB面かというと、「DEAR Y」の一文からわかる通り、これ「Yの悲劇」のアンサーソングだそうです。

Yの悲劇では、男を略奪されたことに対して、嫌がらせをしてくる元カノって描き方をされていた彼女ですが、そちらの視点からだと、その男は手をあげるような男で、だから忠告をしていたという面が見えてくるところ。やっぱり人間や出来事は多方面から見ないとわからない、ってところを描き出してるなと思います。

それでもいつまでも繋ぎ止めたいし、永遠に夢中と繰り返し歌ってるのが、こう……どうしようもなさがあるというか。ずるずる引き摺ってる未練がましさもあり。

最後の電話のコール音の後、「もしもし」で切れるところも印象的。

 

5:ルバートには気をつけて!

こちらもメロディと音がとても好きです。多分今回のアルバムの中で、一番リピートして流しておきたい曲です。なんでしょうね、こういう曲調。キラキラともちょっとズレてるような。ピコピコよりはポコポコって感じ。こういうとき音楽的教養ないから、上手く説明出来なくてもどかしさありますね……

サビの伸びる音がすごい好きですね。シネマティック・リアルのとことか。ちなみにシネマティック・リアルは造語とのことです。造語って単語の組み合わせとかに、らしさというか、意図やチョイスのセンスが一番出るところだと思うので、なにを思ってそういう単語にしたのかはいつか聞いてみたいですね。

ライナーノートに綴られてますが、ルバートは音楽用語で「自由なテンポで」元々は「盗まれた時間」という意味もあるようです。人生思い通りにはいかない、というのを込めたと書いてある通り、おそらくテンポが合わなくなった二人の別れの曲だと思うのですが、結婚間近とはいえ単に別れの曲だというだけなら、全然軽い方だなってなってしまうの、本当に今までの曲の歌詞の業が深い。

 

6:真冬のシアーマインド

ザ・ゲレンデ曲。こちらもライブで披露されていたので、感想書いてますね。

爽やかな可愛らしい曲で、ほんと「スリーツーワン」のカウントダウンが大好きなんですよ。その前に「吐息が重なる3秒前」と付いてることで、キスする瞬間までの少ない時間をロマンチックに感じてる乙女心が出ているというか。ほんとここ可愛らしさが詰まった歌詞だなと思います。

あまりに爽やかだし、素直に受け取れば特に不穏な部分もない歌詞で、前5曲の不穏さをラストで浄化してるみたいな構成だと思うのですが。どうやらインタビューとかを見ると、やっぱり裏に何かをふりは想定してはいるようですね……自分の悪い部分が出た歌詞って言ってんだよな……w

まあでも考察は受け取り手の自由だと思うので、ありがたく目を逸らそうと思っていますw たぶんこの歌詞の情報量から考えようとすると、邪推の類いになると思うので。

 

そんな感じで、またまた多彩な曲が出たなぁといった感じです。

Moonriseのときには、ぼんやりCITYとOUT OF BLUEが繋がってる、みたいなぐらいだったのが、今回パープルアイシャドウとRUMIKOという対比曲だったり、Yの悲劇に対するアンサーソングとしてのSIDE Bだったりと、曲同士の世界観が繋がったりもしていて、また一段と降幡ワールドが広がったように思います。

バースデーライブや1stツアーもありますし、これらが実際披露されたとき、どんな色合いを見せてくるのかとても楽しみにしています。