獣の咆吼

備忘録メイン。好きなことをつらつらと。

『THE IDOLM@STER SHINY COLORS COLORFUL FE@THERS』シリーズ全曲感想

シャニマスくん信頼しかねえんだよなーーーーー(定型文)

 

シャニマスはユニットを軸に展開をしているシリーズで、今までのCDシリーズは全体曲を除けば、すべてユニットごとの曲(※エイプリルフールの2曲は例外にさせてください)だったわけですが。3年目にしてGRADを踏まえ、とうとうソロ曲が実装される流れとなりました。

それが今回のCOLORFUL FE@THERSシリーズで、Stella、Luna、Solの3チームに振り分けられ、3ヶ月連続発売となったわけですが、まあこれがほんとにどれもこれもそのアイドルにぴったりに作られていて脱帽だったわけですよ。あとユニット曲シリーズがWINGに対して、ソロ曲がFEATHERSなのあまりにオシャレで好き。

これは全曲感想書いておくっきゃねえ! と思ったので、Stella発売頃からちまちまと感想を書き溜めてた形になります。今回も曲やアイドルによって濃度違っても許して。

 

とりあえず全体的な雑感ですが、まずチーム分けですよね。

MD感想に発表時の感想で書いたのですが、まず星・月・太陽ってアイマスの伝統みたいな分け方になってますけど。765ASの頃とミリマス以降で主題変わってるなぁというのがあって、アイマスSPのときはサン・ムーン・スターについて、太陽がセンター枠(春香)だったんですよ。けどミリマスのLTFシリーズだとサン・ムーン・スターで、星にセンター枠(未来)が移ってるんですよね。

これ結構面白いなと思っていて、今回シャニマスではソール・ルーナ・ステラで、星がセンター枠(真乃)の系譜を継いでるんですが、色分けも太陽が黄(黄緑)になり、星が赤を持っていってます(ミリマスの頃は太陽が赤で星は黄色なのは変わらずでした、信号機の属しているカラーとは反していますが)

他のPの考察で見かけましたが、今回のチーム分け、アイドルのイメージカラーの色相で綺麗に分けられるらしく、そういう意味でも集まってるメンバーカラー的に赤い星、黄緑の太陽になっていると思われるのですが、一般的に星が黄、太陽が赤の方がしっくりきそうなところを反対にしてまで、赤(センター枠)を星に据えているので、星であることに意味を込めてるんだろうなと思うんですよね。

個人的にはトップアイドルを言い換えるとトップスターでもあり、アイドルとは星のようなものである、と言えるので、そういう意味でセンター枠が星に遷移したのかなと思っています。一番最初のオーディションも「明日のアイドル一番星」ですし。

また人々を導く道標としての星、とも捉えられるかもしれません。そういう意味でのセンター枠。

とにかくイメージカラーで綺麗に分けられるのも然り、シャニマスどのぐらい最初から想定して組んでいたんだろうみたいなところはすごく気になったりしてます。

 

そしてなにより、ほんとどの曲もそのアイドルにぴったりに誂えてきてるところですよ。

個人的にはソロ曲について、安易なキャラソンっぽいものは嫌だけれど、その曲を歌うのがその子である意味がないものも嫌だと思っていて。作中のアイドル曲として成り立ちつつも、メタ視点ではその子の曲だなあって思えるものがいい、みたいなめちゃくちゃワガママな高めのハードルを期待として設定してたんですけど。軽々とハードル越えていったのは、本当にお見逸れしましたとしか言いようがない。

GRADの甘奈シナリオのトレーナーの「ユニットにいる時と同じ顔しか見せられないなら、ユニットでのお仕事だけでいいやって思われちゃうよ」のセリフじゃないですけど、やっぱりユニットの中にいるアイドルと、アイドル個人は別の側面を持っていて、そこをちゃんと活かしていく曲に仕上がってたなと思います。

シャニPのアイドル論って、わりとその子自身の持っている魅力を色んな角度から見せていくってスタンスだと思っていて、だからこそその子をもっと色々知っていきたい、知らなくちゃという感じなので、ソロ曲はそのスタンスにも寄り添ってていいなと。

 

・Team.Stella

www.youtube.com正直、全体感想でほぼ語っちゃったみたいなところあるんですが、各ユニットの代表枠をメインに取りそろえたメンツ。そんな中でノクチルだけ、赤枠が透じゃなくて円香ってところが面白いですよね。本人が嫌がろうが、アイドルの話としての主人公は、透よりも円香なんだろうなぁって。ちょこ先輩がいるのもさすがで、あの子が主人公もといセンター枠じゃないの、ほんとおかしいぐらいに赤属性ですからね……

そしてそういうメンツが揃ってるからなのか、王道曲だなぁってものが多く、全体的に印象はまとまってるなという感じがします。ストレートにいい曲が多い。

 

1:プラニスフィア ~planisphere~

もうさーーーーこれさーーーーライブで歌われたら泣く奴じゃん!(この感想は後々頻出しますが気にしないで下さい)

もう「キラリ光れ!ジブンだけの星の色で!」に全てがぎゅっと詰まってますよね。それぞれの色、それぞれの星でいいんですよ。やっぱりそう考えると、星がセンター枠なんだなぁって納得がある。

あと相変わらずのパート割りの鬼がいますよねシャニマス。ソロパートがだいたい納得の割り振りなのすごい。個人的には智代子の「いま、夢に願いを重ねているんだ」、円香の「指差してた場所はみんな違ってた」、恋鐘の「いま、赤い糸で結び合わすんだ」、甘奈の「見つけてみたい ジブンだけのStory」辺りが特に意味深というかニヤリとします。

聴けば聴くほど沁みてくる曲というか、思い出を重ねるごとにもっと良さが増していく曲だと思います。

 

2:ありったけの輝きで

真乃ソロ。捻らずどストレートな主人公曲って感じ。絶対OP曲にある。

Catch the shiny tailの6話の最後のモノローグをそのまま曲にしたようなというか、何かいいことが起きるってワクワクするような、雨上がりの朝の爽やかな空なんですよね。

Catch the shiny tail自体はヒカリのdestinationを元にしたようなストーリーでしたけれども、その系譜を継いでるのもあって「ヒカリ」とか「虹」って言葉が出てくるのがいいですよね。最初のユニットシングルの2曲のモチーフ。

あと真乃って大センターの子には珍しくスカウト組なんですが、だからこその一歩踏み出す勇気というか。1番では「はじまる」だったのに、ラスサビ前では「はじめる!」になってるところがとてもいい。最初こそ誘われてアイドルという世界に足を踏み入れたけれども、色んな経験を経て、今では自分からアイドルでいようと思う、この変化の強さだなと。そして踏み出すだけでなく、あの日躊躇った臆病なわたしも、ちゃんと忘れないでいる。そんな過去も全部あってこそ自分のありったけの輝きなんだなと。

 

3:星をめざして

Stella収録曲の中で一番好きだなって思った曲。とにかくラリパの中毒性が強い。

でもそこだけじゃなくて、とにかく全体的にメロディと音が好みです。もう音があさひのワクワク感を表してるというか、後ろでピチュンピチュンしてるのとかいい。そして2番で変拍子入ってくるのが最高にあさひ。聴き手側にも着いてこれるか? って試してくる感じ。油断するとあっと言う間に置いてかれるんですよね。

あさひ、最初のSSRがジャンプだったり、3周目モチーフがうさぎだったりと、向こうの世界であさひ個人としてのアイドル像は、無邪気な可愛さ寄りのものなんでしょうかね。そこが「フリーダム 跳んで飛んで翔んで行くよ」のところにかかってくるというか。最初のSRのフェス衣装も宇宙でしたし。

そしてなによりも落ちサビで転調してからの歌声。音高くなったからか、なんだか若干切なさみたいな色が入る感じ。「星をめざして」の「て」とか、「ほら」とか音が高く伸びるところがすごい好きです。

あさひが星になれたならいいのに、って言うの。なんかこうジンとしてしまう。

 

4:夢見鳥

シンガーソングライター樋口円香概念、あまりにぴったりすぎて困る。

これも非常に円香に沿った曲だと思うんですが、歌い方は淡々と他人事みたいなところがいいですよね。(って書いてたら、リリイベでそういうディレクションだったのが判明して笑った)なんだか自分には関係ないって思ってるみたいで。

ただ円香の厄介なところは、そういう冷めて斜に構えてる風を装っていても、本心ではこういう曲に揺さぶられてしまうような心の持ち主ってところなんですよね。そしてそういう部分が嫌いだから、反発するように余計に冷めた態度を取ってしまう感じ。

だからこそ、最初は淡々と歌っているのがわかるのに、2番後半辺りから怪しくなって、Dメロでは感情が微妙に乗ってしまうところまでになってしまう。「信じてみたい」の「い」の抜け方でわかる感じ。この目を逸らしていたいのに、逸らしきれなかったみたいなところが最高に円香だなと思います。

 

5:アポイント・シグナル

一昔前の少女アニメのOPにありそう感。女の子が主人公のやつ。

歌詞の節々に見える強さが、あまりにも恋鐘なんですよ。ドジで失敗することも多いけれど、そのへこたれない精神で、どんなときだって明るく前を向いて歩いて行こうとする感じ。「片思いの毎日楽しんで」なんて言われてしまったら、もう平伏すしかないじゃないですか。

決して凹んだり傷ついたりしないわけじゃないのに、ポジティブに考えて明るく楽しく過ごそうとしていくのは、先天的な強さではなくて、努力で身につけた強さなんですよ。女の子の等身大の強さ。そういうところが主人公の器だし、月岡恋鐘がアイドルたる資質なんだなと。

「前のめりアクティブに 恋していくだけ」とか「自信は特技 任せて!」とかが本当に好きすぎる。一生ついて行かせて下さいってなる。

あとこれも結構「Wonderful distance」とかすごい頭に残るリズムしてますね。全体的にあさひソロとは別の方向で、跳ねているというか駆けている感じのメロディ好きです。

 

6:チョコデート・サンデー

どぅいどぅいどぅ~。作詞:児玉雨子を見た瞬間に、うわ絶対やばいじゃんって思ったら、ほんとに唸る歌詞が来た。なお後日Lunaのインデックス来た際にガッツポした後、頭抱えるもよう。

まずデザートのサンデーと、日曜日のサンデーがかかってるところで勝ち確なのすごくないですか??? 日曜日に一緒にカフェでサンデーを食べるっていう、ささやかだけど贅沢な、等身大な感じのデートの図が浮かぶだけで満点なのに、そのサンデーを食べてしまったら、デートが終わって月曜日になってしまうという多重に込められた意味が完璧すぎる。その上であちこちに散りばめられた「ホットかれたら」「もうちょこっと」「アイスる」とかの言葉遊びがすごい。

でもこの歌詞の中で、うわちょこ先輩ってなったのはやっぱ「ほかの子が持っている 才能 羨ましいけど 魔法 マイ オリジナル」のフレーズなんですよ。ちょこ先輩は自分では自分のことを普通の子だと思っていて、特にアイドルとしてアピールできるポイントはないと思っていたからこそ、チョコアイドルという武器を手に取った子で(ここら辺はちょこ先輩WINGとGRAD読んで下さい、めっちゃいい話なので)、だからこそこの歌詞が本当に強度が強いというか。

もちろん他の子の才能が羨ましくなることはあるけれど、でもその手にしたチョコアイドルという魔法は、ちょこ先輩だけのオリジナルなんですよね。だからこその、こんな甘いデザートのようなワードが散りばめられた歌詞なんだっていう。

あと「あーん」の言い方で毎回ちょっとふふっとなってしまう。

 

7:Sweet Memories

タイトルでかわいい系かバラード系かどっちに振るかなと思っていたら、バラードに振ってきましたね。アルストのAniversaryの系統だなと思います。歌詞が結構ストレート気味なのが実に甘奈。

聴いて最初に思ったのが、低いとこから高いとこまで音幅あるなってところで。特に甘奈はある程度高い音の方がクセというか特徴出るのかなと思うので、メロ部分の低音がややキツそうなところもあり。でもその中で、ちゃんと変化付けられてるのはすごい。

歌詞については甘奈の大切な人(広義)で、Pや甜花や千雪、その他たくさんの人を指してるかなって思ったので、リリイベで甜花指定が入ってた話は結構驚きました。

ただきっちり指定が入ってるということは、今後の示唆も含むのかなと思っていて。そうすると「別々の道をゆく その時が来ても」とかが重くなってきますよね。

実はアルスト曲の歌詞を紐解くと、どちらかというと上手くいかない恋のが多いというか。アルストロメリアでも「好きでも嫌いでも キミになら全部捧げたい」だし、最近だとダブル・イフェクトの「たとえば二度と飛べなくても」とか、Aniversaryに象徴されるように、悲しい結末になっても受け入れる許しや、前に進むみたいな示唆が多くて。いつかの別れはアルスト自体の根底のテーマとしてあるのかなと思っています。そして、その別れって何かと言われれば、甘奈と甜花が主軸なんだろうなとも。

ジャーニーでも描かれたように、それぞれが独り立ちしていく日がいつか来るのでしょうけれど。それでも過ごした時間も愛もずっとそこにある、そんな曲ですね。

 

8:ハナマルバッジ

これをこのアルバムの最後に置いた人天才。ライブの最後にみんなでラララって歌いたくなるような、気持ちのいいエンディング感ある。そして絶対間違いなく泣く。

なんでこう明るい曲調なのに、こんな泣けるんだってぐらいメロディからエモ。ギターの鳴きっぷりがすでに泣ける。特に2番のサビ入る直前のところ。

でもなによりやっぱ歌詞なんですよね。なんだこのキラキラした世界。目に入るひとつひとつのものが全部輝きに満ちてるこの感じですよ。果穂の目には世界はこういう風に見えてるんだろうなぁ、って。そしてそんな風に世界が見えるのもきっと、この瞬間だけなんだろうなぁとも。

子供の頃って本当に無敵で、誰もがヒーローになれちゃうし、お姫さまにだってなれるし、望めば何にでもなれるんですよ。そういう可能性の広さがぎゅっと詰まってる歌詞だなというか。そして大人になってしまった自分にとって、それはあまりに尊い一瞬であることを知ってしまっているから、だから泣けるんだよなぁ。

出来ればこの、今見える世界を大切に。そのまま真っ直ぐ育って欲しいと願わずにはいられないし、果穂ならきっと真っ直ぐいい大人に育ってくれるでしょうとも思います。

Dメロの「階段」で裏声使った話もありましたけれど、果穂だってもう立派に着実に、大人への道を歩いているのですから。

 

・Team.Luna

www.youtube.comうって変わって、クール枠というか。落ち着いたメンツ(本当か?)の青枠。

ちゃんと各ユニットで一人は各チームに割り振られているんですが、ルーナにはアンティーカ3人もいるっていうバランスなの、めちゃくちゃ納得なんですけど少し面白いなと思ってしまう。むしろアンティーカがそういう属性極振りでも、バランス上手く取れて回っているってところがすごいのかもしれない。

裏から支える方が得意というか、そういうサポート役の立ち回りする子が多いですよね。そして本心の自己主張があまり上手くない子たちでもある。でもだからこそ月のように、ちゃんと寄り添っていてくれるという。

全体的にオシャレめなサウンドが多い印象ですが、その中でもクールには寄せすぎず、曲幅は思ったより色々取りそろえた感じがします。和風からテクノからバラードまで。

 

1:リフレクトサイン

歌詞のパート割り天才なんだよなーーーー???(二度目)

もう甜花ちゃんに「勇気の手を取るように」って振ってるのがわかりみすぎるんですよ。あと三峰に「新しい自分へと」を当ててるところ。プラニスフィアよりソロパートが少なくて、ユニゾンでの起用が多いのも、一人一人が輝くStellaに対して、人と支え合う・照らし合うことで輝くLunaっぽいですね。その中でもソロパート2回目がある摩美々、三峰、灯織が、このメンバーの中でも我が強い側って考えると、割り振りに納得が出ます。

それとイントロ。GameVerからフルになって本気出してきましたね。カットされてる部分は正直そんな長くもないんですが、あるのとないのとだと結構印象変わりますね。

「欠けているから何度でも 満ちていけるんだろう」のところの歌詞が特に良かったというか、月というものに対してそういう視点があったか、と目から鱗でした。

でもやっぱり一番はシンプルに「信じて」がグッときますね。このメンバーだからこそ余計に。

 

2:誰ソ彼アイデンティティ

メロディからもうすでに摩美々だ! ってなる感じなのすごくないですか?

こういう曲調、ジャンルが何と言えないのがもどかしい感じ。でもドンピシャで摩美々だってなる感じ。リリイベでも言われてましたけど、ジャズバーとかで流れてそうなのとてもわかる。

GameVerでもすごい好きだったんですが、2番からがとても化けた曲で、いきなりワルツ調になるのマジで摩美々。あさひのときはついてこれるっすか? って挑発が見えたけれど、摩美々の場合は裏を掻くというか、予想なんかできませんよねー? って悪戯っぽく言われてる感じ。

でもなにより好きなポイントがDメロからの「煩いくらいに眩しい」のところ。摩美々ってそれこそ悪戯で他人に叱って欲しいってところまで行き着いてしまった、極度の構って欲しがりなわけですけれど。そこに行き着いてしまった程の、どうしようもない無気力さというか、諦観さというか、そういうのが最初にあった子で。でもアイドルになることで、そうではなくなってしまった。摩美々にとってアイドル(とアイドルになった自分を取り巻く環境)は煩いくらいに眩しいものなんだなぁ……って。それがなんか泣けてくる。

全体的にパープル・ミラージュを思い出す歌詞というか、田中摩美々の蜃気楼って感じなんですが、なんであれ限定なんですかって何度でも言いたくなります。

 

3:わたしの主人公はわたしだから!

もう小糸がこれを一生懸命歌ってるところを想像するだけで泣き曲でしょこんなん。

アイマス、こういうちっちゃい頑張り屋な子に、めちゃくちゃ明るい元気曲渡してきて、それがすごい泣ける曲に仕上がってるのズルいと思うんですよ。やよいとかさぁ。

これLuna曲? ってなるようなユーロビートなわけなんですけれども。結構いいアクセントになってるんじゃないでしょうか。めちゃくちゃライブ映えしそうだなって思うけれど、コール入れられるライブいつになるんでしょうね本当に。

歌詞がどストレートなところに賛否両論っぽいですけど、むしろこのストレートさが小糸らしくていいなと思う派です。だってわたしの主人公はわたしだから、って小糸にそういう曲を歌わせてあげる、贈ってあげるプロデューサーですよ。他の誰でもない、すごい(と小糸が思っている)幼なじみ3人でもない、福丸小糸というアイドルは小糸自身しかいないし、そういう小糸も主人公なんだよって肯定じゃないですか。この曲の主人公みたいに、いつか小糸もわたしはわたしだからって胸を張って欲しいっていう、アイドル福丸小糸に対しての祝福と祈りの曲なんですよ。

そしてそんな曲に背中を押してもらえた小糸が、この曲で同じように人を元気づけてあげられるの、マジでアイドルだと思うんですよね。

 

4:また明日

ピコピコ感に甜花ちゃんのゲーム好きを感じる。

ゆったりとした曲調と世界観に甜花の見ている世界がぎゅっと詰まってるんですけど、なによりもDメロの「小さくて 平凡で 頼りなくたって 夢を見ると言うことが大事」の歌詞に一番グッときますよね。これを甜花が歌うからこそ、グッとくる歌詞というか。

甜花、三歩進んで眠り姫とか、とにかく亀のような進みなんですけれど。それでもちゃんと一歩ずつ進んでいける子なんですよね。今年のバレンタインデーのチョコとか、ようやく3年目にして、1年目の甘奈みたいなレベルに追いついたというか。それを周囲には出来ない子って言われ続けてきたのかなって思うんですけど、ちゃんと続けていけば確実に出来るようになる子でもあるし、それをちゃんと続けられることに意味があるんですよ。

遅いからって途中で諦めてしまったらゴールには辿り着けないけれど、ゆっくりでも進んでいればいつかはゴールに辿り着けるというか。それこそまさに「一歩一歩 ゆっくりと 前を向いて 歩いてゆこう」なんだよなぁ。リリイベで言われてた地球ってイメージ、わかってしまうのが困るw

 

5:常咲の庭

有識者の解説をめちゃくちゃ聞きたい曲。使われてる和楽器、どうやら雅楽でちゃんと情景としての意味があるっぽいんですよね。詳しい人頼む。

それはそれとして、リリイベでも同じような事言われてましたけど、空気感が伝わってくる音で、静けさ残る早朝のイメージなんですよね。空気が澄んでて、少しすんってなるような、目が覚める肌寒さもある感じの。ちょっと湿度があって、朝露が葉を濡らしてて。でも朝日はまだ昇るか昇らないかの、薄明るい時間帯を思い浮かべてました。もしかすると少し霧も立ち上ってるかもしれない。

常咲の庭の「庭」ってどこかというと、凛世の心かなと思っていて。もちろん凛世だから、メインはシャニPに対する想いの曲だと思うんですけれど。でも常咲というぐらいなのだから、本当に色んな花が咲いていて。季節によって移り変わっていって。その花、つまり凛世の感情というものは、シャニPだけでなく、放クラのみんな、283プロのみんな、それからファンや周囲の人々。そういうたくさんの人々によって咲いていくもの、という風に思ってたんですけど。リリイベで他の観点として、咲いている花々を283プロのみんなに見立てて、その中の一輪を凛世と捉える解釈の話もされてて、なるほどなと思いました。

「ただ付いて行きたい一羽の 雛鳥も空を目指す」とあるように、凛世ってシャニPに対する一目惚れ、ある種の刷り込みでアイドルを始めたけれど。でも周りに触れて、色んなものを知って、ちゃんと空を目指していくんですよね。最初、何もなかった庭は、今は色とりどりに満ち溢れているんだなぁと。

青い紫陽花の花言葉、各自調べて欲しいです。

 

6:プラスチック・アンブレラ

もうこれだけ別途で記事立てた方が良くない??? 大丈夫??? ってぐらい語るところしかない曲。担当だし好きすぎる曲だから正直めちゃくちゃ長くなるけど許して。

もうほんと曲単体でも好きすぎるし、三峰の曲として完璧なものをお出しされた感じだし、この曲を今の三峰が歌うってところにすごくすごく意味があるんですよ。GRADを経て、雨に祝福に至った三峰だからこそ歌える曲だし、あとBRUTUSのインタビューを読んで下さい。もう≠の女じゃないんですよ三峰。

だいたいの大まかな解釈は以下の小説に込めました、ということで宣伝。

www.pixiv.netまずイントロのピアノと、Lalalaと口ずさんでる入りのところで既に呻くしかない。作中にも書いたんですが、灰色の世界で人々が歩いてる中、傘を差して立ち尽くして空を見上げてるような三峰のイメージが浮かんだんですよ。個人的には、雨はざあざあでもなく、しとしとでもなく、その中間のさあさあって感じ。そんな中で、耳を澄ませなきゃ聞こえないぐらいの声で、メロディを口ずさんでるというか。斜め後ろぐらいから見ていて、顔は傘に遮られて見えない感じ。

で、メロに入って四つ打ちのドラムですよね。これが心臓の鼓動のように聞こえてきて、ピアノリフは三峰の内側で揺れ動く感情でしょうか。実はメロディで荒ぶってるのってピアノぐらいで、全体的にはリズムとかシンプルな辺りが、実に三峰だなぁと言うか。複雑そうに見えて、案外シンプルなんですよ。詳しくは後述。

そして歌詞ですよ。ちょこ先輩のところでも語りましたが、児玉雨子先生がマジで天才過ぎる。そもそも雨の憂鬱を「頭痛止め 切れた」の一文で端的に表してくるの、何食ったらそんなの思いつくのレベル。これが最初に来ることで、一気にあの気持ちがずんって重くなるような、天気の悪い日の憂鬱な気分が思い起こされるようになってるの、本当にすごいですよこれ。ちなみにこの曲の主人公は三峰と≒だけれど、=で三峰というわけではないと個人的に思っている根拠は、ここらの部分からです。三峰だったら雨の日は憂鬱なものではないので。

で、よく言われてる「無数 歩く人 人、人、人」の部分。ここだけで1:人の雑踏、2:傘という文字、3:ひとひと(しとしと)という雨音のトリプルミーニングぐらいかけてくるの、もはや出来すぎてて怖い。

他にももう語り出すとキリがないのですが(それこそ歌詞全てをひとつひとつ読み解いていきたいレベル)、傘を個人を明確に区切るテリトリーのモチーフとして使っているところや、その領域を丸と称して、常識とかそういう正しいこと(丸)とされるところに重ねて、そこからはみ出したくないってかけてくるところとか。サポートカードの雲間のモーメントで、傘で表情が見えないから、雨はあまり好きではないと咲耶が語ってるんですけど、それの逆をしているのが三峰なんですよねえ。サビで「鼓動が疼く」ってあるところとか、リリイベで情景や音、心臓の鼓動について考えて歌ったって語られてたんですけど、まさにそれで。三峰って外側ではああいう明るい振る舞いしますけれど、実際にはその内側の奥の奥の方で縮こまって、じっと息を潜めているというか。そうやって周りを見落とさないように注意深く観察している、という子だと思ってて。息を潜めているからこそ、自分の心臓の音はすごく耳に響いてるんだろうなと思うんです。その様子がわかりやすく描写出来るのが、傘の内側だなぁとも。

でもなにより2番からの歌詞が、こぼれ落ちてきた感情の吐露としての全てで。メロディのところで複雑そうに見えて、案外シンプルって書いたんですけど。三峰のそれって、結局のところ臆病さに由来するんですよね。いい子でいることがやめられなくて、周りに上手く合わせられずに、ただ置いてけぼりになるのがこわかった、っていう。「こわかったの」のぽつんと零すような歌い方、すごく好きポイント。

けど本心では自分のことを理解して欲しいと思ってしまう部分があって、だからわかってほしい。でも知られたら離れて行ってしまうかもしれないから、わかられたくない。そういうことを考えてるような面倒な自分を、わからないでいてね、って。ここらの揺れ動き方が最高に三峰すぎる。ぶつからないように隙間を縫うというのも、傘を差して歩くときと、人との衝突をなるべく避けてきたところにかかってて、本当に傘というモチーフがあまりにしっくりハマりすぎてるなと思います。

そして間奏なんですけど、初めて聴いたときに「うわめんどくせえ」って思わず口から零れてしまって自分でも笑った。いや、なに? そのボイスエフェクト。音に紛れさせてスキャット入れるのずるくない? 言いたいけど言えないでいる言葉が雨のように降ってくるじゃん。

そこから「ねえ 誰か見つけて」という、揺さぶってくるような叫びにも聴こえる歌声が本当に好き。そこからの転調入ってラスサビ。この曲の救いだなぁと思うところで、ちゃんと今の三峰なんだなって思うのが、雨が止んで傘を閉じれるところなんですよね。フル聴く前、ハナマルバッジで果穂はアンブレラブレードに出来るのに三峰は、とか言っててごめんな。

誰か見つけてと願う三峰が、雨の日にシャニPに見つけられてスカウトされて。NOT≠EQUALではもう一度雨の中見つけてもらえたわけですけれど。そこから先、GRADでぶつかっても大丈夫なのだということを知って、雨に祝福では自分を見つけてもらうためには、知ってもらう努力をしなければならない、というところまで至ったわけで。ようやく傘を閉じてみようと。そういう意味で今の三峰が歌うのにふさわしい曲だと思うんです。作中のファンにも、自分の一面を知って貰うための一歩。リリイベでも語られてましたけど、まさにそういう一歩を踏み出す背中を押す、勇気の曲なんだなと思っています。

 

7:Going my way

もう曲名から泣けるやつじゃん。あの愛依が自分の道を行くって。その決意の強さを知っているからこそ、このタイトルの重さがすごいじんときます。

イントロやアウトロで聞こえてくる時計の針の音の意味なんですが、個人的にぼんやりな解釈になってしまうんですが、重ねていく時間だろうなと思っていて。時が進むように時間を重ねて、きちんと前へ、未来へと進んでいくという決意の表れなのかなと。

「絶対譲れない意地」「手に入れた自信が プライドに変わってく」「この生き様を見せつけるから」という部分が最高に愛依だなと思っていて、ミステリアスなキャラクター自体は作ったアバターですけれど、その内に秘めた闘争心、ストレイの他二人に焚き付けられたそれは、愛依自身の持つものなんですよね。人と仲良くありたい、争いたくないという明るいギャルの愛依も愛依なんですけど、その一方で負けたくない、譲りたくないという闘争心に溢れた愛依もまた愛依なんですよ。GRADで自分とPと周りのみんなとファンのみんなのために、自分自身がすごいと証明するために勝ちたいと願ったように。

落ちサビからラスサビに入る瞬間のブレイクが本当に気持ちよくて。あそこでまた一段と壁か何かを打ち砕いて、前へと進んでいく様が目に浮かびます。

 

8:雪・月・風・花

アンティーカのゴシック要素って霧子から来てるので、そういう方向の曲になるかなと思っていたら、そっちだったかー! って感じのところからきた。でも納得しか出来なくて唸りました。通じるかわからないんですけど、ローゼンメイデンのOPみたいなのがくるかなと思い浮かべていたら、EDの方が来たのでそっちかやられた! って納得しちゃった感じ。

いいですよねアイリッシュケルト音楽、と思ってたら正しくはスコティッシュに分類されるらしいこの曲。こだわりだそうなので、ちゃんと覚えておきましょう。どちらにせよ、そういう民族音楽の類いは、霧子の含有する世界観を表すのにぴったりだなと。

個人的に霧子の世界、コミュにおいて特徴的だなって思ってるのが、音だったり、声だったり、聞くことに特化した内容が多いなと思っていて。物語も語るものという点で音の分類ですし。そういう意味でこの曲も、世界と霧子の対話なんだろうなと。歌詞全体を読むとブロックとして雪・月・風・花という流れが汲まれているのもとてもいい。その上でサビの部分で霧の字が入ってるの、すごくいいですよね。

間奏部分で言葉ではない美しい言葉が綴られてるみたいな話をリリイベでされてたんですが、いつか詳細に聞いてみたい内容ですね。一応頑張って解読してみようとはしたけれど、難しくて断念したので……

 

9:スローモーション

もうとにかくフルで大化けした曲。ただでさえGameVerでもいいバラードだったのに、フルで更にこんなにも化けるなんて誰が想像できたというのか。他に担当がいる人だったとしても、スローモーションだけは誰もがじんと沁みてしまう力があると思うんですよ。伸ばす手に乗せるのは、のムービーと同じで、こういうところが灯織はズルいし好き。

青の系譜を実感してしまったというか、アイマスの青って歌姫枠であり、ストイックさのあるドラマ枠だと思ってるんですが。灯織ってどちらかというと作中の描写だと、歌姫というわけでもなく、VoよりはむしろViだと思うんですよ。けれど今回、この曲の歌声に込められた感情の熱量、魂を揺さぶるような歌い方は、まさに青の歌姫だったなと。歌で人ってこんなにも感動させられるんだ、ってとこを思い知らされるような。

とにかくラスサビが真骨頂で、この曲の全てがラスサビのためにあるというか。そこに至るまでどんどん盛り上がっていく様子が、思い出ボムじゃないですけど、完全に今までの走馬燈が頭に流れていきますよね。それこそスローモーションのように。そして落ちサビで一瞬落ち着いてからの、ラスサビの一気に来る盛り上がりですよ。ラスサビの「最初から ずっとずっと」の後の伴奏が、あまりにドラマチックで震える。

歌詞もイルミネは本当に王道のポイントを外さないなというか。「ヒカリを追いかけていた」とか「トライアングル」とか。でも一番好きなのは「小さな灯り」ってところ。まさしく灯織なんですよね……

1番だと「なれたらいいな」って歌っていたのが、落ちサビでは「小さな灯りになろう」って決意するのに、直後に「なれるのかな」ってちょっと不安になっちゃう辺りがすごく灯織。

頂いた曲だから、決して灯織自身のことを歌った曲ではない(これはソロ曲全体的な方針かなと思ってます)けれど、灯織なら絶対今までのイルミネとの思い出を重ねて歌う、って話されてて。そうやって感情移入して、熱や魂を込めて歌う灯織、すごく想像がつくしわかります。そしてそれだけ感情を込められるようになったということ、それだけイルミネとの大切な時間を重ねてきたということが、すごく尊いなとも。

この曲をアルバムのラストにもってくる構成、あまりに見事です。余韻がすごい。

 

・Team.Sol

www.youtube.com一番多彩なメンバーが集まってるように思う黄枠。その結果、曲もかなりバラエティ豊かになったなと思うんですが。一枚で通して聴くと、不思議なことにちゃんとグラデーションのように、上手く雰囲気が移行していくようなバランスになっているのがすごい。ソールだけ全体曲でラストを〆てるのもいいですね。

じゃあ結局太陽ってなんなんだ、ってところなんですけれど。何かを与えられる子たちなのかなとなんとなく思っています。それこそ太陽の光のように鮮烈に。あと月との比較になりますが、月の子たちが隠していく、言わないという面倒さがあるとするならば、太陽の子たちは理解し合う、さらけ出すって方向の面倒さがあるような気がします。全員が全員そうというわけではないけれど、少なくとも相互理解がテーマになってる子が多いかなという印象。

 

1:千夜アリア

ロボットアニメのOPに流してもあまりに違和感がない曲。ガンダムの映像に合わせた動画が流れてきたんですけど違和感仕事しろすぎた。リリイベで元ネタが千夜一夜物語と聞いて、結構驚いたのと同時に、腑に落ちたところもあります。またLunaのラストのスローモーションとの流れを意識して作られたとのこと。

太陽は太陽でも、そこはアンティーカというべきでしょうか。タイトルの通り千夜に繋がるような、燃える鮮やかな斜陽といいますか。目を焼く黄昏、滅び行く世界観の背景がちらほら窺える感じがあります。「降伏を迫るように」「願いを込めた昔話」「今日が朽ち果てても」辺りが色濃く見える部分でしょうか。このやたらと壮大にしてしまう感じが、すごく咲耶だなと思う。

ただ、逆境へと立ち向かっていったり、そういう場所から次へと繋ぐのもアンティーカであって。そういう面が一番出たのが咲耶のソロだったなと思います。それはおそらく、一番過去が現在へのキーになっているのが咲耶であって。生い立ちの話とか、あるいはGRADで語られたモデル時代のファンとのすれ違いとか。過去に後ろ髪を引かれながらも、自分の望む場所、願う場所へと歩んでいく物語だからかなと。だからこそ、「行くんだ 斜陽の向こうへと」

あと咲耶の歌声ってやっぱり低音がカッコいいんですけど、個人的には高い音の裏声の感じもすごく好きなので、そこもふんだんに使われてて良かったです。サビの「キミと」の部分とか。

 

2:Damascus Cocktail

夏葉のソロ、どういう曲調でくるかなってのはずっと読めなかったんですが、まさかのそうきたか! と思わず唸った。ラテンとかスペインとかそっちのイメージか。たしかにパッションというか、情熱と艶やかさを兼ね備える夏葉にはふさわしい。

もう間奏がズルいんですよ、絶対ライブだったらアピールタイムじゃんこんなの。ここでカッコよくキメてくれる夏葉が浮かびますもん。あとダマスカスってところ。ダマスカス鋼、つまり鋼なワケですけれど。硬くしなやかなその強さは、たしかに夏葉の強さに通じますよね。精錬の末に出来上がるものであるという部分も。ダマスカス鋼の製法に木の葉が使われてるっぽいのもモチーフとしてドンピシャなとこ持ってきましたね。

「1秒前の自分に勝っていたいの」という部分が端的に表していて、果てを目指してただただ磨き、研ぎ澄まし、精錬されていく。その在り方は鋼でもあり宝石でもあると。いやあほんと夏葉強いわ……また、リリイベでここの部分が音階でどんどん上がっている部分で、歌ってる間にも秒数は経っているわけで、その間もどんどん上がっていくと語っていたところで唸った。

そういう情熱をすべて溶かし尽くして、混ぜ込んでカクテルにするってところ、大人である夏葉だからこそ歌える曲だなと。お見事です。

 

3:Darling you!

甘奈がAniversaryだったなら、千雪はLove Addictionの系統でしたね。オシャレなミュージカル調の感じ。アルストの少女性というか、そういう可愛らしい乙女要素は、実は千雪の要素なんだよなぁ。

ストレートに「キミ」に向けた曲というのが、それをよく表していて。曲中に詰め込まれてるの、少女漫画にありそうな夢見る少女のデート像じゃないですか。映画の一幕のような、そんな特別な一日。フィルムのちょっとセピア色したムービーで流したいですもん。

だけどなにより「キミを楽しませたいんだ」「キミを喜ばせたいから」なんですよ。アルストの歌詞も結構そうですけど、愛されるより愛したい精神というか、与えてあげたいなんですよね根幹が。だからカラフルな箱に大好きを詰めて、リボンもちゃんとかけるんですよ。そして開けてもらえたら、大好きが溢れるんだなぁ。

「キミを」のところの歌い方がうっきうきな様子が溢れてて可愛すぎる。またリリイベで、入りのところは甜花の歌い方を意識して、Foreverの上がるところは甘奈の歌い方を意識したとのことで、そこも千雪らしい。

 

4:あおぞらサイダー

ASMRは卑怯すぎるだろうがよ!

最初タイトルだけ発表されたときは、これ雛菜の曲? 透じゃなくて? って思ったんですけど。いやあそういう曲きましたか。爽やか方向というよりは、どちらかというと淡い方向としてのサイダーのイメージ。

個人的にプラスチック・アンブレラと並ぶレベルでぶっ刺さった曲がこれで、かなり延々とリピートしてしまっています。頭がしあわせ~♡になってしまう。元々雛菜のことは結構好きな子に含まれてたんですけど、もっと好きになってしまったというか。この曲のおかげで、なんとなく雛菜がどういう子か、ってところが更に解像度高くなってきていて。ただ、まだコミュでの掘り下げは少ない子だと思うので、その想像が合っているのかは、答え合わせが出来ない状態だなって思っています。

正直、結構三峰や摩美々とかとタイプ近いんですよ、個人的に捉えてる質感としては。そしてめぐるの裏。

曲としては、まずとにかく音が気持ちいいですよね。泡が弾ける音とか、パチパチもそうだし、シュワーって一気に弾けるのもそうだし。歌声自体もそうで、パッパッドゥワッパ、があまりに頭に残りすぎる。これ一回聴いたらずっと頭の中リピートする類いのフレーズ。そして囁くように歌うところ。雛菜にとって、この曲を聴いて欲しい相手というのは、そういう囁くような距離にいてくれて、雛菜の声を聴こうとしてくれる人だけなんだなと。「胸がトクンってちょっぴり」の「トクン」のところでブレイク入ってるのもすごく好きです。

かと思えば2番に入って、いきなり曲を破壊するのをやめろ。あさひや摩美々の比じゃないぞこれ。この素直にいかずに外してくる感じがすごく雛菜。自由か。そういう風に振り回されるの好き。

全体的にふわふわしてて、しあわせ~な曲なんですけれど。でもなんだろう、あったかいとかじゃないんですよね、この曲。一般的な幸せとか、黄色な感じではなくて。メロディに切なさとかさみしさのようなものを感じるなと。ベースの音が特にそうなんですけれど。そして多分、雛菜のしあわせの質感って、もしかしたらそういうものなんだろうなとも。泡のように弾けちゃうかもしれないもの。

サビの「楽しくってしあわせなこと キラキラ溢れてる だからね 毎日探してるの きみの横で」の辺りの歌い方に、ちょっぴりじんと沁みるような感じを覚えてしまう。眩しくて、キラキラで、だからこそ切ない。

 

5:SOS

アイドルとしての曲なんだから、ふゆでくると思ってました。シャニマスくんのそういうところ本当に信頼。

けれど面白いのは、完璧すぎるほどふゆの曲だし、歌い方も甘ったるい中に小悪魔感が見え隠れしてて、最高にふゆなんですけれど。間奏とかを聴いてもらうのがわかりやすいんですけど、音が全然素直じゃない。引っかかるような歪みがあって、そういうところにすごく冬優子を感じてしまうんですよ。一癖あるようなこの感じ。裏で高笑いする冬優子が見える。ピコピコしてるというか、宇宙感があるEDMなのは最初のSRのフェス衣装イメージが近いですかね。冬優子に限らず、SRのフェス衣装がソロのイメージにしっくり来る子が多い気がします。

「テレパシー」「ときめいてる」の歌い方が特に甘ったるくて好き。リリイベではふゆと冬優子の境目を意識して歌った中で、そういうラストの部分はふゆを強めに意識したと語ってました。2番入ってのAメロの叩くようなリズムに、ちょっと圧を感じてしまうのは考えすぎか。SNSってワードが入ってるのは冬優子らしさありますね。全体的にふゆなんですけど、サビの「終わらせて 片想いMy heart」のところだけ、元々の声の力強さが出ていて唯一冬優子が滲み出てるように思うんですけど。歌詞を考えると、これはもしかしたらあえてなのか。ここのフレーズだけ、ある種の本音なのかって解釈も出来て楽しいです。

 

6:過純性ブリーチ

爽やかロックなバンドサウンド。そうそうこういうのこういうの! って感じ。

Sol、こういう曲が多いのかなって思ってたんですけど、振り返ってみたら樹里ちゃんの専売特許で、それはそれでいいですね。こういう曲が本当に樹里には似合います。力強く、前へ前へと走って歌ってくれる。

タイトルなんですけど、ブリーチ、つまり漂白するってことですけれど。その前に過純性、ってついてるわけで。ある種潔癖すぎるとも言える程の、真っ直ぐさを表してるなぁと思います。「もしも あの日 あれを こうしてたらって」という歌詞が特に樹里だなぁって思うんですけれど、でも今の樹里は「行ったり 来たりも 答えになるって」って繋げられるんですよね。

過去に部活で何かがあって、ちょっとグレて。そんなときに自分にはまったく縁のなかったはずだったアイドルというものに出会ってしまって。一回真っ白にされてしまったわけなんですけど。それでも今、そこからの試行錯誤や、迷ってふらついてという部分も大事だったって。そう思えるようになれた樹里がうれしいなと思います。

「肩の力 ひとり 入れすぎるって 多分 みんな あること と思うから」の部分があまりに優しさ一等賞。真面目で優しくて、だからこそ中途半端だった自分を許せなかったところもあったけれど、迷ったり悩んだりしても、ただがむしゃらに前に走ることが大事だと気付けた樹里は強いなと思います。

「ひとり背中 向けても 見放しちゃくれない世界」というのが本当に樹里のいる世界は優しいな。

 

7:HAREBARE!!

これがね愛じゃなきゃなんだってんだ!

めぐるの全身全霊応援ソングですよ。まさに「熱い 想い 止まれない歌」です。

めぐるは感情表現がストレートな子ではありますけど、決して無遠慮に踏み込んでくるタイプの子でもなくて、ちゃんとすごくすごく気を回してしまうタイプなんですけれど。その上で全部伝えちゃおうって、全力の肯定と愛をぶつけてくる感じ。

2番がラップ調になってびっくりしたんですけど、なによりも「めぐるめぐる」「かぜのかぜの」「あっと言う『まの』」ってところですよ。もう何回目だって感じですけど、イルミネの歌詞は本当に王道を外さないですね。ちゃんと全員入れてくるところがすごくめぐる。

でも一番は「キミがキミであること それだけでいつだって 私を助けてる」が本当にいいなと。これ、Catch the shiny tailでめぐると灯織が、そのままの真乃が隣にいることを真ん中だと肯定したことでもあり、なによりStar n dew by meで真乃がそのままのめぐるを肯定したことなんですよね。

「すごいめぐるちゃんじゃなくて、めぐるちゃんが好きだから。意味がなくても、そばにいたいなって……」と真乃が言ってくれたとき、涙を流すほど嬉しかっためぐるが、この歌詞を歌うこと。すごく重みがあっていいなと思っています。

 

8:statice

こちらも花言葉を調べてみて欲しいシリーズ。ソロのトリが透だということ、なんか納得してしまうところがあります。作品における追加メンバーって、特別な意味が付与されるタイプがあると思うんですけど。透はまさにそのタイプで、昔シャニPと出会ってるという部分もあり、また特殊な立ち位置だなと。

で、曲の話ですが。作詞作曲を揃えてる辺り、円香と対を意識してるところはありそうですね。ただ曲の内容は特に対になっているわけではないかなという気がしていて、ある意味そこの非対称感が透と円香っぽさがあるかなとも思います。でも「飛べるかわからないけど」のところは円香のWINGを思い出すようなフレーズですね。

すごくストレートでわかりやすい歌詞にしては、ふわっとした内容なところが透だなーって歌詞ですけど、海に出たノクチルとしての曲の側面と、シャニPへの想いの曲としての側面の両方を含んでいるように思います。それをふわっとさせてよくわからなくさせてるところがすごい透。

透、うっすらと今のままではよくないなと思っているというか。日常じゃなくて非日常を望んでいるというか。どこかへ行きたいけれど、どこへ行けばいいかもわからないし、今のままでも不満があるというわけじゃないから、ぬるま湯から出る理由もない、みたいな子だと思うんですけれど。シャニPとの再会によって、幼なじみも巻き込んで、とうとう行き先もわからないまま、それでも心が行きたいと思った場所へと駆け出していくんですよね。それが表れてる曲だなぁと。

「きみが隣にいる」ということを信じて疑ってないところも、まさに透。

 

9:SOLAR WAY

完全にアンコールのお祭り騒ぎ大団円エンドな曲。個人的にはアイマスのカーテンコール聴いたときの気持ちに近かったです。これがこのシリーズの本当にトリの曲なの、あまりに綺麗すぎて天才。

Stellaがソロパートきっちりな曲で、Lunaがユニゾン多めでしたけれど、Solはソロパートなんだけど2人1組の掛け合いになってるのが、本当にそれぞれのチームらしい。リリイベで合いの手が他のアイドルのモノマネでやってくださいというディレクションだったらしいので、後でじっくり聞き分けしてみたさあります。

「赤裸々でもいいじゃない」ってところが、最初に語ったチーム分けのイメージの話に繋がってくるなと思っていて、退路ですらも残らず照らしてくれるんですよね。いいところだけじゃなくても、ちょっとダメなときでも。それだけだと無遠慮にも思えますけど、ラスサビの前「顔を背けて 隠してもいいよ そっと明かり 灯せるように 寄り添ってるから」ってところがあるのが強い。本当に逃がしてくれないやつだこれ。助けになりたいという気持ちを受け取れる余裕がなくても、それでも助けになりたいんだって意思が強すぎる。そういうところ引っくるめて、太陽の曲だなぁと思います。でも「どんな時も逃がさない」のところに、メンツがメンツだけにぞわっとした恐怖も感じてしまうのは色んな意味で間違っている。