獣の咆吼

備忘録メイン。好きなことをつらつらと。

THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.

過去最高で、過去最低のライブ体験をした。

 

そもそも告知や前準備の段階で不穏さをあえて前面に押し出していた時点で、ただごとじゃないライブになるんだろうなとは思っていましたが。蓋を開けてみれば、良くも悪くもシャニマスらしさ全開のライブだったと言いますか。ライブから1週間(正確には金曜日の高山Pコメント同時視聴会後から書き始めています)ぐらい経っても、未だに賛否両論、悲喜交々な意見で語られるライブ、なかなかないんじゃないかと思います。

個人的な感想と言いますか、先に自分の立場としての結論を言いますと、めちゃくちゃ楽しみました5thライブ。すごく良かった。ただそれはそれとして、文句を言いたいところも山ほどある、そんな感じです。

なので今回は、ちょっといつものようにライブ内容の箇条書き感想をする前に、個人的な整理も兼ねて、どこが良かった・悪かったみたいな話をしようかなと。ちなみにDay1現地、Day2配信勢です。なので主にDay1に話が偏るのは許して下さい。

 

まず今回の5thライブですがDay1とDay2で根本的にコンセプトが異なっていて、Day1が「アイドルを続けなかった世界」、そしてDay2が「アイドルを続けた世界」となります。

Day1についてPがいない世界だとか、天井社長がプロデュースしたライブだとか考察は色々ありますが、本筋ではないので置いておくとして、とにかくDay1がアイドルを選ばなかった世界であることだけは明確です。

このDay1こそが今回のライブの肝で、まあIFの世界線とはいえ、よくも解散ライブをサプライズ演出しようと思ったなこの周年ライブで! というのが諸々の一番の焦点なんじゃないかと思います。そんなん二次創作がやることちゃうんか!(自分はやりました

個人的にはコンセプト自体は結構好きです。開幕の社長とはづきさんの会話で不穏な空気を読み取って、最初のユニット挨拶MC辺りで「あれ? これもしかして架空の解散ライブやろうとしてる?」と察して、おもろいロールプレイ求めるなぁとも思ってました。

ただロールプレイに振り切るには、ちょっと振り切り具合が弱かったかなといいますか。はっきりと解散ライブ・ラストライブという類いの言葉は出てこず、終わりを匂わせる演出はあっても、おしまいとはっきり言葉にされたのは結構後の方で、どういうポジションでこのライブを楽しめばいいのか、という戸惑いがリアルタイムのときにあったのはノイズになっていたなという気持ちはあります。一言、はっきりと序盤にラストライブってセリフでもあれば、すんなりロールを飲み込めたんじゃないかなと。それはそれで信じ切ってどよめきが起きた可能性もありますが、シャニマスの状況を考えてもラストはないってのは、みんなわかっているはず。

と言いつつ、すぐに意見をひっくり返して悪いのですが「シャニマスは本当に続くのか?」というファン側の疑念が、真に迫った演出と相まって、これはそういうロールプレイなのか、それともマジなのかという疑いを生んでいたのも事実な気がしています。

アイドルマスターというコンテンツである以上、あっさりとシャイニーカラーズというIPがなくなることはないというのは、みんな信じていると思うんですが(だからこそこういう架空の解散ライブが、IFのコンセプトとして通るので)けどシャニマスというゲームについて、サ終がないと完全に信じている人はそんなにいないんじゃないかなというか。最近の課金圧の強さもあって、新アプリだったり世界線リセットだったりは、そろそろあり得るんじゃないかって思ってる人、多いんじゃないかなって。自分は正直、告知で新アプリに移り変わって世界線リセットあるんじゃないかって、ちょっと頭を過ぎりました。次のCDシリーズがWINGシリーズじゃないのもあって。

またこれはアンティーカPの自分としては、あまり掘り返したくはない話題ではあるのですが。真面目にこれは続投していけるのか、ってトラブルがここ数年にいくつか起きたのも事実です。そう、三峰結華。後任を見つけてくれるという信頼はありましたが(そして実際、見つけ出してきてくれた)半年近く担当の声を聞くことが出来なかったこと。三峰のPカードはまだともかく、Sカードやイベスト等、他の子たちが喋っている中、そこだけぽっかりと空いた無音の喪失感。今はもう塞がった傷痕であっても、出来れば二度と味わいたくはない感情でした。当たり前は突然あっさりと瓦解することもあること、身を持って知った経験になりました。

そういうあり得なくもないんじゃないか、って気持ちが、運営側の予想以上(であろう)に恐怖心を煽ったのは、あんまりよくなかったかなぁと。高山Pの「アイドルを続けてくれることは当たり前じゃない」という言葉は概ね同意で(事実、前述の通りに当たり前が崩壊した実績もある。そこは加味した上で、ちゃんと覚悟を持って今回のコンセプトは決められてると思います)、アイドルに対しての真摯さを感じられて好感が持てるのですが、「当たり前じゃないとわかっている(どころか、終わるかもしれない覚悟を持っている)」相手に、それを念押しするのはさすがに酷かなと。特にライブは楽しみを求めて来ている人が多いだろうし、めでたいはずの周年ライブに、アイドルの悲壮感漂う姿を見たくて来る人はそんなにいないでしょうと思います。

別の道を選んでも輝かしい未来はある、と言うのであれば。にちかの独白や、アルストの舞台裏等、あそこまで悲壮感漂わせなくていいといいますか。もうちょい前向きな演出でもよかったのではと思います。ただあそこ、マジでキャストの演技がめちゃくちゃ良くて。こっちの胸を苦しくさせるほどの名演だったし、今回のライブの好きだったポイントでもあるから評価困るんだよなーーーー???

そういう演出面で、今回一番ハマったのがノクチルだと思っていて。制服掃除用具バンド、本当に良かった。あれは個人的にはアイドルを辞めた後の幼なじみたちだと捉えているのですが、アイドルでなくても一緒にいられる可能性の示唆でもあったと思っています。

そしてだからこそ、アスファルトを鳴らしてが、意味合いがガラリと変わっているんですよ。Day1とDay2の両方で、ここまで印象と聞こえ方が変わる。これは今回の演出あってこそのもので、個人的に5thのMVPはこの1曲でした。

 

またこれは今回のライブに限らずではありますが、アイドルマスターというコンテンツの抱える歪さが強く出てしまったライブだったなと。つまり、このライブを見ている自分たちは果たして「プロデューサー」であるのか「ファン」であるのかという問題。

Pであるならば、これがラストライブであることを知らないはずがないんですよ。ファンも当日ラストライブって知らされることは滅多にないだろうというのはありますが。だからこのライブは「何」なのかの戸惑いを抱えさせない方が良かった。逆にファンとして扱うのであれば、幕間の朗読劇等の裏側の演出が要らなくなります。そこのどっちつかず感が宙ぶらりんさを加速させたようにも思います。個人的には今回は後者でありたかったなというか、最後の舞台を明るく笑顔で終わらせようというアイドルの精一杯のステージだけを見たかった気持ちはあります(でもほんとここまで苦しくなるのは、キャストの名演あってこそなんで、素晴らしいパフォーマンスなんだよなこれ)

 

そしてセトリ。周年ライブの中では過去最高と言ってもいいでしょう。よく新曲発表会と揶揄されがちなところがあるシャニの周年ライブですが(個人的にはその年の締めくくりなんだから新曲発表会でいいと思ってる派)よく指摘のある通りセトリ映えしない面があるのはたしかで、ユニット曲の枠を3曲に変えるだけで(そして過去曲1枠を日替わりにするだけで)だいぶ違うだろうに、という気持ちはありました。

今回ユニット3曲どころか4曲、しかも2曲日替わりにしてくれたのは本当に嬉しい驚きでした。Day1のアンティーカ3曲目がBlack Reverieだったときに、あれ? 愚者やってない? でも新曲やらないってことはないだろうし……まさか1ユニット4枠??? って内心の混乱から、MCで前半戦終了を告げられたとき、あ、マジで4曲やる気だ、って確信して震えました。

また演出も和楽器隊やダンサー等も凝ってましたし、声出し解禁でバベルシティや夢咲がきてくれたのもすごい嬉しかったです。不穏パートの後にちゃんとテンション上がる楽曲を入れてあって、会場が沈みきらないように工夫してたようには思います。

ぶっちゃけDay1とDay2、どちらかしか現地行けないとして。自分はそれでもDay1を選びますね。現地で浴びることに意味がある演出やセトリは、個人的にはDay1のが多かったです。ただ逆に普通に浴びても、めちゃくちゃ楽しいセトリだったのもあって、素直に盛り上がりたかった気持ちもあります。

 

で、この片日しか行けなかった話。これは仕方がないことではあるので責めづらいんですが、もう少し努力出来なかったかなぁとは。4th幕張がざっくり最大キャパ15k、今回の5thは最大キャパ13kです。Day1とDay2の両方で完成するライブ自体に、個人的には異議はないのですが(それを言うならそもそも4thの時点でそうだったので)、ここまで意味を持たせるなら、両日行ける人が多くなるような努力は欲しかったかなと。二日間通し券とか。おそらく配信が普及して、見たい人は見られるという環境であるからこそ、踏み切ったコンセプトだったとは思うんですが。それはそれとして現地の生の体験ってのはデカいんですよ。そこもうちょっとご理解欲しかった。まあそもそも4thが現地回避した人多そうで、適性キャパ読み違えてた可能性もあるんですが……全て幕張というクソ箱が悪い。

 

ここまで書いてきましたが、要は

・IFの解散ライブというコンセプト自体は(個人的には)悪くはない

・生の感情を引き出すためには、事前にそのコンセプトを公開するわけにはいかないのもわかる

・とはいえライブ中にもう少しはっきりと伝わった方が中途半端ではなかったと思う

といった感じで、制作側のやりたい意図とか伝えたいこととかも、こうなんだろうなと噛み砕いて、必要だったんだろうなと理解した上で、それはそれとして与えられた痛みは痛かったんだぞこの野郎、みたいな結論です。

いいものは見せてもらいましたし、あまりに徹底した演出のこだわりや、シャニマスというコンテンツへの制作陣の向き合い方の真摯さや、そこに込められているものが祈りであること。そこを含めて、すごく良かったライブだったなと思っています。ただそういうムーブしてるから、DV彼氏のシャニマスくんとメンヘラ彼女の俺たちって言われるのは、マジでその通り過ぎて否定出来なくて困る。シャニマスくんの手のひらの上、悔しいけど気持ちいいんだよなーーーーー!?

 

後は語りたい部分を徒然と。

■Day1

・初手一閃、開幕が全体曲系じゃないことで結構どよめいた記憶があります。でも切り込み隊長出来るのはやっぱ放クラなんですよね

・凛世が左利きなのを反映して、ちゃんと左投げ左打ちなの好き

・からのGive me some moreですよ。まさかこんな早く来るとは思ってなくてイントロで悲鳴上げた

・リリイベで見てはいたのですが、マジーク・アルーア衣装と相まって、また妖艶さが増しててめちゃくちゃ良かったです

・あとDay1現地だったから気付かなかったけど、アーカイブで見返して、イントロのほのけの表情が天才過ぎてそこだけでメシ食えるなと思いました

・今回カメラワークもめちゃくちゃいいの嬉しいですね。間奏の下から舐めるようなカメラワークはズルだろそれマジで

・浮動性イノセンス、静かに始まるイントロでテンションが上がる曲

・サビのふわりふわり、ゆったり優雅な振り付けがめっちゃ好き。あと練度がすごい出る

・挨拶MCまでなんか不穏なのやめろw

・MC明け、ずっとずっと待ちわびてたイントロが流れて発狂する

・バベルシティ、このアンティーカコールをやるためだけまでにコール解禁を待ってたところあったので、めちゃくちゃ嬉しかったですね

・暗転中、三人影が見えたのでイルミネかアルストかストレイか、って思ったらライト付いて誰??? になる

・なんか和楽器演奏始まった……えっ、どちら様……?

和楽器だと凛世? いや凛世だとソロになるし……えっ、もしかしてH&A? ストレイ!?(赤ペンラを用意する) ←ここまでだいたい十秒ぐらい

・予想通りH&Aのイントロ流れてきた瞬間に発狂する。今回発狂ポイントが多すぎる

・三味線めっちゃかっけええええええええってなってた和楽器生演奏ストレイ。こういうのめっちゃいいから生バンドライブとかいつか頼むシャニマス

・キャットスクワッド、樹里ちゃんのうにゃーが好きすぎて困る

・猫何回逃げるかは毎回変わるかもとのことなんですが、ちょっと楽しい

・男性ダンサー付きFashionable、ダンサー付きはアイマスでは珍しくはないですが、男性ダンサーはめっちゃ珍しいというか、もしかして初?(Mマスとかやってるかもわからんけど)

・MD演出再現のいつだって僕らは、あのとき観客のいないステージを駆け抜けたノクチルが、今は観客で溢れた花道を駆けてるの、ジンとくるものがある

・過去一安定してたAnniversary。舞台裏がああだったとしても、ステージの上では精一杯明るくパフォーマンスをするアルストなんですよね

・そこから拝啓タイムカプセルはずるいのよ。けんけんぱしてるの可愛いよ

・ボロボロになった旗をはためかせてのBlack Reverie、叛逆の革命軍なんだよなぁアンティーカは。最後まで抗い続ける

・というか3曲目じゃないこれ? えっ愚者やってないけど、4曲やる??? ってなってたのがこの辺り

・VERY BERRY LOVE、ゆったりとしたテンポのダンスに、意外とステップが複雑なので、現地だと足元ばかり目がいってしまいますね

・あとは双子、双子であることに強みのあるダンス。典子が身長低いのも活きる大崎ゲートウェイ

・あああああああああああ制服掃除用具バンドノクチル!?!?!?

・二次創作みたいなことをするなありがとうございます!!!!

・あまりにキャストの制服姿がまんまノクチルで、再現度高くてすげえなってなった。特にちゃんりおの円香

・透がギター、円香がベース、小糸がキーボード、雛菜がドラムなのあまりに解釈一致

・曲が今しかない瞬間をなのもいい……

・ここで再度MC。ここから後半戦……だと……???

・前述しましたが、アスファルトを鳴らして、まーーーーーじでよかったです

・これは個人的な解釈ですが。Day1はきっと1曲前のように、アイドルを辞めてただの幼なじみに戻っても一緒にいられたけど、それでもいつか過ごした日々も思い出になって、自然と離ればなれになっていくんだろうなって思いもあって。そんな中でのアスファルトを鳴らしてなので、さみしさのある曲になってるんだろうなって

・Day1の各ユニット4曲目は、ラストライブの最後に歌う曲、という高山Pからの解説がありましたが。それを思うと、夢咲で終わる放クラ……ナンバーワンなんだよずっと……

・愚者の独白、リリイベでも思いましたがスタンドマイクの歌唱実力プレイなの好き……落ちサビの摩美々……

・どうか幸せで、という祈りで終わるアンティーカ……

・OMGで終わるシーズもね、最後までいつもの、全てをぶつける最高のパフォーマンスで、という徹底

・諦めない、絶対! を最後まで言うストレイーーーー

・たとえ翼失っても、があまりに重い文脈になりすぎるでしょ!

・Twinkle way、イルミネの到達点だと思ってるので、この曲がラストなの結構嬉しかったです。どこまでも続く綺麗な星空のような曲

・ようやくの全体曲がR+なの、Day1にくるのがこの曲なの、すごいわかりって感じなんですよね。精一杯駆け抜けてきた曲なので……

・アンコールめちゃくちゃ長いし、これ告知ねえな? って思ってたらマジで告知なしできたの、演出が徹底されててすごい

・ラスト、ユニットが順に消えていくMCSで、うわーーーーーーこれ予告の動画じゃんーーーーこれかよーーーーって叫んでた

 

■Day2

・開幕の社長とはづきの会話シーンで、いいんだな? 世界線変わるんだな??? ってなる

・Day1と同じセトリの流れ……と見せかけて、最後のイルミネで世界線変えるのはさーーーーーーズルじゃんーーーーーー

・しかもそれで披露されるのがヒカリのdestinationなのはズルじゃんーーーーーーー

・もう三人揃ってるイルミネだけで涙腺ヤバくなるみたいなとこある

・一番最初の曲、またここから始めようってことなんだよな……

・MC明け、ビーチブレイバーで一気に会場のボルテージ上がるの好き

・正直、日替わり枠各ユニット1曲かなって思ってたんですよ。PWは固定として、1曲演出曲枠があったので。でもビーチブレイバーとシャボンガン見て、あっこれ、Day1の演出Day2ではやらねえぞ!? って察してびっくりしました

和楽器隊とかダンサーとか呼んでおいて、それ片日しか使わないっていうの、めちゃくちゃ思い切った豪華な構成してますね今回???

・NTFのイントロでこわれる

・NTF、しおに変わってから唯一まだ未披露のアンティーカ曲だったんですよ……(Black Reverieもバンナムフェス2ndのショートverだけでしたが)これで全曲回収です、ありがとうございました

・ちょっと一気に飛ばしてLove Addiction、ティーパーティアルストロメリアはずるでしょうよ!?

・これは配信カメラワークありがとう案件

・あまりに可愛い、あまりに幸せ空間……ちょっと本当に食べたそうに見てるのやめろ典子w

・Day2のアスファルトを鳴らしては、ちゃんと未来に向けて足を踏み出すような希望が詰まった聞こえ方してていいですね……

・Day2の全体曲がStWなのマジでわかってる

 

とにもかくにも挑戦的な構成のライブだったのはたしかでしょう。

そしてそこに(ある種エンタメとするならば不適切かもしれないほどに)一切の妥協がないところ、良くも悪くも制作陣の意地の強さだなとも。

次は初のソロライブという、また新しい取り組みになりそうですし、ルカもどう扱っていくのか。今後も楽しみにしています。